「すぐれた人間の大きな特徴は、不幸で、苦しい境遇にじっと耐え忍べることだ(ベートーヴェン)」
何かの食材を調理しようと思った時、甘みを引き立たせるためには対極の味覚が不可欠になります。
例えばスイカを食べようとしたとき、スイカに塩をかけると甘さをより強く感じます。
2種類以上の味が集まることで1つの味が強まる現象のことを「味の対比効果」といいます。
そろそろオリンピックが始まりそうですが、スポーツでも対比効果は存在します。
勝者のよさを際立たせるには、強いライバルの存在が必要です。
対比効果で重要なのはバランスです。スイカであれば塩は少なめにしておかなければ、塩味が先だってスイカではなくなってしまいます。
一方で私はスポーツであれば、勝者の哲学や金言に比重を置かずに負けた選手のうつむいた顔や希望を砕かれた選手の言葉に目が向きます。
その中に本当の価値があると感じるからです。
フランスのサッカー選手にマケレレという選手がいました。
攻撃のタクトをふるう技術は持っておらず、スピード、高さともに不十分でした。サッカー選手の中では個人で勝ち抜いてレギュラーを取れる存在ではありません。
そのため守備力とハードワークを磨いて、勝利を導く支え役としてチームに必要な存在になりました。
試合中は一人で二人分の走量をほこり、あいているスペースの大部分をカバーします。
相手選手の攻撃の前には必ず立ちはだかり、守備の危機を一人で背負って味方の攻撃につなげます。
自軍が勝つために自身が評価されない労力をいとわない、それがマケレレでした。
マケレレの所属チームのレアルマドリードはスター選手がたくさんいる強いチームでした。
ジダン、ラウル、フィーゴ、ロナウド、世界一と評されるような選手ばかりでした。
一方でスター選手ばかりという弊害で2003年にチームが崩壊します。
その時にチームメイトやファンから誰よりも評価されたのは、マケレレでした。
ただ、高い評価を向けられた時にはマケレレはレアルをもう去っていました。
大切なものはなくした後にその価値がわかるのです。
スポーツは生きる上で大切なことをクローズアップして見せてくれます。
外語センターは
下記リンク先①のようなアクリル板を付け、
下記リンク先②のサロンのような教室に変えます(予定)
0コメント